部屋でゆったりと朝食を摂り、9時過ぎに宿のご主人がやってきて
会計を済ませてから、車でバス停まで送ってくれました。

トラーパニへと向かうバスからは、美しい景色が見えていました。
エリチェからトラーパニまではバスに乗り、トラーパニからマザーラまでは列車です。
またまた待ち時間が2時間以上あったので、
トラーパニが初めてのペコさんは、イプさんと一緒に散歩に行き、
私は、前日バスを待ったバールで荷物番をすることにしました。

この機械を見たら絶対スプレムータ(生絞りジュース)を飲みたくなります。
ミラノのホテル・ミケランジェロにあるのと同じような、
オレンジを丸ごと数個入れると、ジュースになって出てくるのです。
4個ぐらいオレンジを使って、たっぷり作ってくれました。
お金を払おうとすると、後でいいよって言われ。

本を読みながら過ごしていたら、30代ぐらいの男性が店に入ってきて、
私に「1€ください」と言うので、きっぱりとNoと言いました。

そしたら、店の主人が彼を呼び、
煙草を1本やって出て行くように言い
そして、私に向かって、ご主人が「ごめんよ」と言うのでした。

その言い方が、とても優しい響きで、
私はこの主人をとっても素敵だと思いました。
ジュースのグラスが空いて、下げて行く時も「ゆっくりしていいからね」って。
ペコさんとイプさんが帰ってきて、
この日は日曜だったので、店もぜんぜん開いていなくて、
近くでは食事を摂る店もないというので、
結局このバールで昼食を摂ることにしました。

私は、小さなパニーノ(1€)と、アランチーノ(1.50€)、
そしてビール大瓶(2.50€)をいただきました。
このときも、主人はお代はあとでいいよ、って。
ここのアランチーノはトマト味ではなく、ハム入りのクリーム味。
モッツァレッラも入っていました。
これがまたけっこう美味しかったです。
店を出る時間になって、レジのところに行き、1人ずつお勘定してもらうと、
店の主人は、私の顔を見ながら、
「えーと、最初がスプレムータだったよね。それから...」
とおもむろに伝票に書きはじめたので、
私が続きの食べたものを言い、彼が金額を書き、合計したのでした。
絶え間なく客は来ているのに、一気に忙しくはならないようで
いい感じで客に応対している店でした。

すぐその裏が駅なので、もう一度発車番線を確認して列車に乗りました。
シチリアの列車はきたない、というイメージでしたが、
なんとなんと、この辺りまで新しいタイプの車両は配置されているのでした。
途中に見える車窓の景色は、何の変哲もない畑ばかり。
なつかしいモツィア(塩田博物館を見に行った。駅は通ってないけど)!
そしてマザーラに着いたのでした。