サン・ヴィターレ聖堂の裏手に、小ぢんまりと建っている聖堂があります。
テオドシウス帝の娘で、西ゴートの王妃となった
ガッラ・プラチディア(386-450年)の廟墓だと言われていますが、
本当のところは多分聖ロレンツォ(ラウレンティウス)に捧げられた礼拝堂だったと思う、
と私の手元の本に書いてあります。
どっちなのか私にはよくわかりませんが、
ガッラ・プラチディア廟と呼ばれていることだけは確かです。

20人も入ればいっぱいになってしまうような、小さな十字形プランの建物で、
中央の天井は高くなって、中から見ると半球形の円蓋になっています。
堂内に入ってくる光は、
入り口から入る光以外は薄く削ったアラバスターを嵌めこんだ窓から入る淡い光だけで、
その仄かな光に、壁一面のモザイクが妖しく輝いて、
何とも不思議な神秘的な雰囲気に包まれるのです。
(アラバスターというのは、メノウの美しい縞模様のある半透明の石です。)
まあ、ごちゃごちゃ書くより写真で見ていただいた方が早いですね。
だれかがドアを開けて出入りすると、晴天のこの日の強い自然光が差し込み、
ドアを閉めないと内部が明るい状態のままで、
もっと暗い中で目を凝らすように神秘的なこの空間を楽しみたいと思う人がドアを閉め、
でも出入りは頻繁なので内部の明るさも頻繁に変化し、という状態でしたが、
じっくり粘って隅々まで堪能してきました。

ここを出るときに撮ったサン・ヴィターレ聖堂の写真を最後に載せます。