サン・ゼーノ・マッジョーレ聖堂のキオストロから堂内に入りました。
大きな聖堂でとても広い空間です。
まずは、一番の目当ての入り口のブロンズ扉に向かいます。
やはりこれを見なくては、という人たちが数人が群がっていました。
写真を載せる前にこの聖堂のことを少し書きます。
サン・ゼーノは、4世紀にヴェローナ司教をつとめていました。
この聖人を祀った聖堂は、
806年に従来の聖堂からサン・ゼーノの遺体を移葬してここに建てられ、
その後、マジャール人によって破壊されたものを
オットーⅠ世による寄進によって963年に再建されました。
現在の建物はに12世紀前半に建てられたものだそうです。
(すみません、理由は調べていません)
「イタリア古寺巡礼 ミラノ→ヴェネツィア」の金沢百枝さんによれば、
「ロマネスク美術のおもしろさは、古代的伝統から逸脱する一方で、
ルネサンス美術以降の三次元的空間表現法もまだ確立しておらず
そのため主題も表現も自由で幅が広いことです。」
とのこと。
私が漠然とロマネスクが面白くて好きだと思う理由はまさにこれだと言い当てられた思いです。
その本で取り上げられていたのが、ブロンズ製の扉の浮き彫りパネルです。
ほかに柱頭彫刻や、正面入り口外壁の彫刻、
そしてルネッサンスの画家マンテーニャの祭壇画も素晴らしいとあって、
見たくてたまらなくなり、今回ヴェローナに1泊することにしたのです。
その扉がこれです。

こんな風に全体を載せても、全然面白さが伝わりませんね。
例えばこれ。
ノアの箱舟の場面です。
一番下の方にあったので、よく見えなかったのですが、
大洪水から動物達を守ろうと、
ノアは牛の角を引っ張って箱舟に乗せようとしているのだそうです。
ちょとアップで撮ってみました。

こちらは、「大地と海」
透かし彫りが見事で樹木の枝にとまっている鳥たちも素敵です。
右の女性が「母なる大地」で、赤ん坊に両乳房を吸わせています。
左の女性は、なんと乳房をくわえているのが魚!
「母なる海」を表しているのだそう。なんという発想でしょうか。
ほかにもおもしろいものがたくさんありました。
これは、「冥府降下」
磔刑にされたキリストが復活するまでの間、地獄へ赴いて義人たちを救出するシーンです。
とんがりコーンがいくつもついたような建物もおもしろいですね。
普通ならキリストを主役にして描くべきなのに、ここでの主役は悪魔の大王。
アップにしてみるとこんなに愉快です。
ほかの写真もいくつか載せますね。
まるで流れ作業のように人間の頭部を運んでいます。



扉の合わせ目の鍵のところも素敵でした。


音声ガイドがあったのですが、日本語がなかったので借りませんでした。
イタリアの美術用語はよくわからないので、解説を聞いても無理だろうと思ったのです。
ところが、私が見ているときに来たイタリア人カップルが音声ガイドを持っていて
イヤホンではなく、音声を外に出していたのです。
めぼしいものをサッと説明するのではなく、1枚ずつ順に全部の場面を紹介していて
聞いていたそのカップルが、
「まあ、ぜーんぶ説明する気なのね・・・」(時間がかかるじゃないの)
と話していました。
彼らは最後まで聞かずに次のものを見に行ってしまいましたが、
しばらくは、そこにいて聞いていたので、
私もそれを聞き、思ったより分かりやすい説明だったので、とても助かりました。
この扉を見るためだけでも、遥々やってきた甲斐があったと思いましたが、
本堂も、クリプタもとても素敵でした。
それについては、また次回。
大きな聖堂でとても広い空間です。

やはりこれを見なくては、という人たちが数人が群がっていました。
写真を載せる前にこの聖堂のことを少し書きます。
サン・ゼーノは、4世紀にヴェローナ司教をつとめていました。
この聖人を祀った聖堂は、
806年に従来の聖堂からサン・ゼーノの遺体を移葬してここに建てられ、
その後、マジャール人によって破壊されたものを
オットーⅠ世による寄進によって963年に再建されました。
現在の建物はに12世紀前半に建てられたものだそうです。
(すみません、理由は調べていません)
「イタリア古寺巡礼 ミラノ→ヴェネツィア」の金沢百枝さんによれば、
「ロマネスク美術のおもしろさは、古代的伝統から逸脱する一方で、
ルネサンス美術以降の三次元的空間表現法もまだ確立しておらず
そのため主題も表現も自由で幅が広いことです。」
とのこと。
私が漠然とロマネスクが面白くて好きだと思う理由はまさにこれだと言い当てられた思いです。
その本で取り上げられていたのが、ブロンズ製の扉の浮き彫りパネルです。
ほかに柱頭彫刻や、正面入り口外壁の彫刻、
そしてルネッサンスの画家マンテーニャの祭壇画も素晴らしいとあって、
見たくてたまらなくなり、今回ヴェローナに1泊することにしたのです。
その扉がこれです。


例えばこれ。

一番下の方にあったので、よく見えなかったのですが、
大洪水から動物達を守ろうと、
ノアは牛の角を引っ張って箱舟に乗せようとしているのだそうです。
ちょとアップで撮ってみました。




左の女性は、なんと乳房をくわえているのが魚!
「母なる海」を表しているのだそう。なんという発想でしょうか。

これは、「冥府降下」
磔刑にされたキリストが復活するまでの間、地獄へ赴いて義人たちを救出するシーンです。
とんがりコーンがいくつもついたような建物もおもしろいですね。

アップにしてみるとこんなに愉快です。









イタリアの美術用語はよくわからないので、解説を聞いても無理だろうと思ったのです。
ところが、私が見ているときに来たイタリア人カップルが音声ガイドを持っていて
イヤホンではなく、音声を外に出していたのです。
めぼしいものをサッと説明するのではなく、1枚ずつ順に全部の場面を紹介していて
聞いていたそのカップルが、
「まあ、ぜーんぶ説明する気なのね・・・」(時間がかかるじゃないの)
と話していました。
彼らは最後まで聞かずに次のものを見に行ってしまいましたが、
しばらくは、そこにいて聞いていたので、
私もそれを聞き、思ったより分かりやすい説明だったので、とても助かりました。
この扉を見るためだけでも、遥々やってきた甲斐があったと思いましたが、
本堂も、クリプタもとても素敵でした。
それについては、また次回。