ぐら姐のよくばりイタリア

イタリアにはまってかれこれ25年。イタリア人て面白い、から始まって、イタリアは美味しい、イタリアは美しい、イタリアの田舎が素敵、イタリア美術や建築も面白い…とずぶずぶ深みにはまっている私「ぐら姐」のイタリアなんでもありのブログです。

2022年05月

サンタ・ルチア地区の散歩です。
卵城
もう夕暮れ。
6月中旬なので、このぐらい明るくてももう8時近くです。
さあ、晩ご飯を食べに行かなくちゃ。

同行のMMさんが、初ナポリなので彼女のガイドのようになってしまいましたが、
私もそれだけのためにナポリに行く気になったわけではなく、
美味しいトマトソースのパスタを食べるという目当てがあったのです。
こんななんでもない店なのに、以前ここで食べた味が忘れられず・・・
きました!
うふふ。やっぱり美味しい!
MMさんは魚介のリングィーネ。
そして前回、指をくわえてよそに運ばれるのを見ていた、野菜のフリット。
もう1つ。これはシラスの掻き揚げのようなもの。
満足して、お腹がいっぱいだったので、ホテルまでぶらぶらと歩いて帰りました。

カロヴィーニョ発12:05に乗り、バーリで高速列車Frecciargentoに乗り換え、
さらにカゼルタで乗り換えて、ナポリに17:00着。
なんとすべて定時運行で、奇跡的!と思えるほど。
やればできるじゃないか、トレニタリア!
(やらないことが多すぎ・・・)

駅から比較的近いところだけど荷物があったのでタクシーに乗りました。
定額で、近くても港の方まででも20エウロだとのこと。
乗っていたら行き過ぎたようで、戻ることになりました。
ホテルは、右側にあるのに中央に分離帯があって、戻ると簡単には右側に行かれず、
結局かなり駅近くになって、分離帯が切れているところで、
ほんとはいけない場所なのに強引にUターンして右側に行っちゃいました。
私とMMさんが「えーっ、こんなとこで~~~」と言うと、
運転手氏「これがナポリだよ!」とウィンク。
はい、ナポリに来た実感が早速湧きました。

さらに、お宿にチェックインしようとしたら、
レセプションのお兄さんが、
「部屋に水が溢れて、今閊えない状態なんだよ、
うちのチェーンの近くのホテルに予約を入れておいたから案内するよ」と
二人分の荷物を持ってゴロゴロと。
水が溢れて使えない話が本当なのか、
なぜ別の部屋の人でなく私たちの部屋なのか、
(満室だから他の部屋には移動できないって言われたのです)
本当に同等のホテルなのか、
全然分からなかったけど、この手のことはこれ以上がたがた言っても、
ナポリであることを考えれば時間の無駄と思われたので、
すんなりと受け入れました。
移動した先のホテルも思ったより悪くなかったので、まあよしということで。

宿に荷物を置き、早速まち散歩に出ました。
初ナポリのMMさんを案内して、夕方18時近くから翌日午後までの
短時間でのナポリ巡りです。

バスが便利なので、1日バス券を購入。
まずはヌオーヴォ城へ。
ウンベルトⅠ世のガッレリアへ行き、
中央のモザイクのMMさんの星座のところで写真を撮ろうとしたら
自転車を乗り回している少年たちが、イエイーイって感じで入ってきたので
一緒に撮りました。
名物の店でスフォリアテッラを買って食べ、
老舗カッフェ、ガンブリヌスでカッフェを立ち飲みし、
プレビシート広場へ。
そしてサンタ・ルチア地区へ向かいます。

農園暮らしが終わる朝、
この日は、昼前にここを出るので、
朝はカッフェとビスコッティだけいただき、
出発前に早めのブランチをたっぷりといただきました。
花ズッキーニをフライパンで焼き、
プタレッレのサラダもいただき
前々夜のティンパーノの残りをきれいにまとめてさっと焼いていただき、
ヴィーノも少しいただきました。
本当によく食べ、よく飲み、よく休み、よく笑った3泊4日でした。
忙しくて忙しくて、そこにふっと1週間の休みができたら、
こういうところでリフレッシュするのは最高だと思います。

この農園を後にし、この旅行はあと2泊。
ナポリに行ってみたいというMMさんのためにナポリへと向かいました。

マルティーナ・フランカのまち歩きの続きです。
メインストリート。
二人は、マキさんの娘さん達です。
キロメートル・ゼロの小さな市が立っていました。
この後、みんなでフォカッチャを食べにいきました。
プーリアのフォカッチャって、リグーリアのものとは全然違っていて、
どちらかというと見かけはピッツァのように円形で、いろんなトッピングがあるのですが
生地はパンのようで(でも普通のパンとは違うのです)しっかりと食事になってしまうのです。

ここマルティーナ・フランカに、マキさんファミリーのお気に入りフォカッチャ屋さんがあり、
(いちばんのお気に入りはアルタムーラのものだけど遠いので)
私たちにも是非食べさせたいということで行きました。
焼き上がったものがずらりと並んでいます。
急ぎでテイクアウトしていく人たちは、これを見て選んで買って行っていました。
焼き立て熱々を食べられるようにご主人がオーダーして、
やってきました!ハーフ&ハーフで何枚も。
どれもこれも美味しくて、ビールが進みます~
次から次と8枚やってきて、6人では食べきれず、
残った分は持ち帰りにしました。

この日は、帰宅してからワールドカップの試合をテレビで見ました。
イタリアとどこだったでしょうか。
ブラジルでやっているので、遅い時間の放映でしたが、
ヴィーノを飲み、ちょこちょこと残り物のつまみを食べながら
みんなでわいわいと観戦するのは、テレビでも楽しいものでした。

マキさんちの車で巡る1日ツアーで最後に行ったのがマルティーナ・フランカ。
バロックのまちなのですが、バロックには興味のない私にとってはどうでもいいまち。
でもここに行きたいとリクエストしたのは私です。
それは、このまちのカポコッロ(イタリア全土的にはコッパ)という生ハムの一種が、
このまちのが一番美味しいのです。
しかも、2年前の夏に行ったときに買ったところのが最高だったので、
それを買いたいとお願いしたのです。
まずはそれを買い(写真なし)、その後ぶらぶらとまち散歩。
ドゥオーモです。
あら、なぜこんなところにこんなものが?
これ、コンフェッティと言って、アブルッツォ州のスルモーナというまちのお菓子なのです。
(何がすごいというまちではないのに2回行っています)

ここはプーリア州、しかもイタリア人って、郷土愛がすごくて
そんな遠い地のお菓子を喜んで買うのでしょうか???
と私は思ったのですが、
そんな遠い地のお菓子だなんて知らないマキさんとMMさんは、
カワイイ~、素敵~って見ていて、
MMさんはお土産に1つ小さな花束になっているものを買いました。

アーモンドのお菓子で、ここプーリアではアーモンドがたくさんとれるので
プーリアの人にも親しみやすいのでしょうね。
しかも見た目のこの色鮮やかさ、南イタリア人好みのようでもありますし。
MMさん、大学生の息子さんがいる女性なのですが、
可愛いもの、きれいなもの大好きな方で、お店であれこれ見て喜んでいたら、
お店のシニョーレがいたく彼女を気に入って、
とても親切にしてくれて、最後は一緒に写真まで撮っていました。
(MMさんがばっちり写っているので、ここには掲載しませんが)
そして、最後に店先まで見送ってくれたのでした。
ほら、左側の看板に、スルモーナのコンフェッティってあるでしょ。
続きのまちあるきと、晩ご飯のことは、また次回。

アルベロベッロからチステルニーノに行きました。
この教会ではお葬式が行われるようでした。
イタリアのお葬式って、日本のように、皆が喪服を着るわけではなく
普段着で参列する人がほとんどです。
まだ棺が届いていなかったので、ちょっと教会の中をのぞいてみました。
それからぶらぶらとまち歩き。
あっという間にまちの奥の見晴らしのよい公園に着きました。
このまちの外れの方だったのか、
次のマルティーナ・フランカだったのか、写真が連続していて覚えていないのですが
マキさんが、豆や麦などの乾物を買う店に寄りました。
小さな店なのですが、すごくお洒落なディスプレイをしていました。
(なのにピンボケ。ごめんなさい)
入り口の天井
中に、いろんな豆や穀物が入っているのです。
そして両脇にも。
中に入って、マキさんが買い物。
私もマキさんお薦めの黒い小麦粉を買いました。

アルベロベッロのまち散歩の後は、
マキさんの家飲み&ゲストの飲み放題用に、ヴィーノを買いにに行きます。
アルベロベッロの郊外にあるこのカンティーナを
ちょうど私が冬に行っているときに旦那様が見つけたのですが、
以来気に入って、ずっとここで買っているそう。
中には、ステンレスタンクがいくつもあって、量り売りが主体です。
(ボトル入りも売っているようですが)
自分で容器を持ち込んでもよいのですが、
ここで容器を買うこともできます。
下の表の下2つがペットボトルのお値段。
それぞれのステンレスタンクにも、
ヴィーノの種類と値段が表示されていて、
試飲しながら買うものを決めることができます。
この↓ロザート(ロゼ)、こんなに安いのにけっこういけました。
何せ、5L買っても7エウロ。1000円ほどですから、すごいですよね。
うちの近所にもこういうところがあればいいのに、って思っちゃう。

マキさんご夫妻は、何種類か5Lずつ買って車に積みました。
外に出ると、すぐ近くの家で外壁を塗っていました。
こうやって、こまめに白く塗って、このあたりの「白いまち」は維持されて行くのですね。

次の目的地チステルニーノに向かいます。

ウニ・バールで美味しい昼食をいただいたあとは、アルベロベッロへ。
MMさんと、マキさんちの2人娘達といっしょに散歩しました。
教会に中に入ってみました。
土産物屋で、上まで上がれるようにしてくれている店の中に入りました。
上からの眺め
下におりて、前にも連れて行ってもらったジェラート屋さんへ。
このまちは、私にとっては1度見ればいいまちなのですが、
このジェラート屋さんは、美味しいです。
マキさんが、このまちの1軒の店でしか売っていないとという
ペペロンチーノ入りの美味しいスパゲッティの店は、残念なことにお休みでした。
(つづく)

農園滞在3日目。
夕飯が遅く、ベッドに入るのも遅いので、当然起きるのも遅いわけで、
朝食は8時半ごろ。
前日のティンパーノのわずかに残っていたもの見つけていただきました。
それから、リゾットというよりは、朝粥といった感じのスープ煮ご飯。
たくさん飲んだ翌朝は、こういうのが美味しいのよね日本人には、とマキさん。
でもパンケーキも焼いてくれました。
粉が茶色のでした。この粉、今人気があるそうで、白いのと混ぜて使うのだそうです。
この後行ったところで私も買って帰ってきたのですが、名前を忘れました。
この日は、初めてプーリアに来たMMさんのために少し観光を入れることにしていました。
(彼女にとっては、プーリアどころか、南イタリアも初。
いやいやこの旅行の前に彼女が行ったことがあるのはフィレンツェとローマだけで
今回ラヴェンナやオルヴィエートにも行ったのですが、それだけなのに、
前出のプーリアの田舎の海辺やこんな農園に連れて来てしったのです、私。)

車で、アルベロベッロやオストゥーニ辺りを回ってもらうようにマキさんにお願いしていました。
ところが、マキさんが海沿いにウニ・バールがあるのよ、ともらしたその言葉を
二人ともスルーできずに、「そこ行きたい!」ということになり、
ご主人も娘達も魚介は苦手(マキさんだけが好き)なので
私たち二人をそこに連れて行き、自分達は別なところ食べると言うことしました。

マキさんのところから30分ほど走ったでしょうか。
宇多田ヒカルさんの旦那様の出身地FASANOを通って海辺のその店に着きました。
ウニ・バールというよりも、海の家のレストランバージョンという感じ。
屋根が無いのですもの。
時間が早いので私たちが2番目の客でした。
さっそくメニューを眺めてオーダー
さてさて、やってきましたウニ~~~
これは10個単位でオーダーするようになっていて、
10個で5€だったような。(記憶が定かではないのですが、これより高くはなかったです)
早速、そのままいただいてみました。
うまっ!
次は、EXVオイルを垂らして、パンにつけて食べました。
う~ん、これまた旨し!
幸せ~ とほっぺを落としそうになっているところへ
生の海の幸の前菜盛り合わせがやってきました。
当然ヴィーノは、きりっと冷えた白。
つづいて、ウニのパスタ(トロフィエ)
お・い・し・い~~~~~うふっ。
そして、マキさんお薦めのCernia al forno(チェルニアは、ハタの仲間だそう。それのオーブン焼きです)
これは、見た目より、食べて本当に美味しい一皿。
もともとハタは高級魚ですからね。
それをシンプルにトマトとオリーブとともにちょっとハーブを振って焼くだけ、
というのは美味しいに決まっているのでしょうが、
これまでイタリアで食べた魚のセコンドとしては、一番!というぐらい美味しかったです。

それにもう1皿のセコンドは、大好きなフリット
コントルノは、ズッキーニのマリネ。
これがまたさっぱりしていていい感じ。

支払いのときには、何も考えていなかったのですが、
今こうして振り返ってみると、
・ウニ 10個
・海の幸の前菜 1皿
・ウニパスタ 2皿
・セコンド(チェルニアとフリット) 2皿
・コントルノ 1皿
・ヴィーノ 1本
・水 1本
これだけ食べて90€だったのです。
安っ!って今頃になって思っている私です。
ああ、また行きたい。

この店でヴィーノが1本だったのは、MMさんが下戸で、
好きなのにグラス1杯がやっとのため、
ほとんど私が飲むからです。
彼女と一緒に食べるときは、
1回割り勘にしたら、その後3回は私がヴィーノ代を出す、というぐらいの支払いにしました。
マキさんちの食事では、その限りではありません。
何しろ食費にもともとヴィーノ込みで、飲み放題なのですもの。
(酒飲みには、本当に嬉しいおうちです)

この海沿いの道路には、こんな店がいくつもありました。
これは私たちが食べた店の看板。
さて、次の目的地アルベロベッロに向かいます。

いよいよ「例のもの」を作るときがやってきました。
「例のもの」というのは・・・

2回目に行ったときのこと。
マキさんが
「『リストランテの夜』という映画をご存知?
その映画の中に出てくる『ティンパーノ』というお料理がすごいのよ。
この辺でもめったに作らないのだけど、結婚式とかのパーティーには
作ることもあって。」
というお話を聞き、私はそんな映画があることすら知らなかったので、
帰国してしばらくしてからその映画をDVDを借りて観たのでした。

3回目に行ったときに、
「観ましたよ!『ティンパーノ』すごいですね~。食べてみたいなあ」
と話したら、いつか時間が取れたら一緒に作りましょう、ということになり。

そして、今回南イタリアに行くとfacebookに書いた私に、
マキさんから「例のもの」を作りましょう!是非来て!!とのリクエストが来たのでした。

カルチョーフィを焼き
肉団子を作り、
それをトマトソースで煮込み、
それとは別にトリッパを煮込み
ああ、もう…
一緒にいろいろ準備していたので、写真を撮り忘れているものがたくさん。

パスタをこねて、
それをパスタマシーンで延ばし、
ゆで卵を作り・・・

そしていよいよ成型です。
大きな丸い容器にパスタ生地を敷き、トマトソースを入れ、
そこに肉団子をパラパラと入れ、
カルチョーフィやら、ストラッチャテッラやらを乗せ、
(ストラッチャテッラとは、このあたりのブッラータというチーズを作るときに、
モッツァレッラの袋の中に入れるモッツァレッラを細く裂いて生クリームと混ぜたものです)
パルミジャーノの削ったものをパラパラと。
ホントは、ここでマカロニで1段目を閉じ、2段目の具をいろいろと入れて
またマカロニで段を閉じ・・・を数回繰り返すのですが、
この日は、マカロニの準備が間に合わなかったので、延ばしたパスタ生地で段を閉じ、
その上にゆで卵や、何やら(もう忘れています・・・)を入れて、またパスタ生地で閉じ、
次にまたトマトソースと肉団子とカルチョーフィ・・・
という感じで何層か積み重ねて、最後にパスタ生地で閉じるのです。
で、オーブンに入れて、じっくりと焼き上げるのです。
焼き上がるのを待つ間、もう他のものを食べ始め、
ヴィーノもいただき、ティンパーノが焼き上がったときは、
ご主人がギターを弾いてくれたり、2人の娘達との話が盛り上がったりで、
写真を撮り忘れてしまったので、別の画像をお借りして乗せることにします。
こちらが焼き上がった実物。
借り物画像の断面。
ほかに食べたもの。
イタリアの春には、山で採れる野生のアスパラがあり、
それが美味しいときいていたのですが、その時期に行くことが無い私は、
いちども食べたことがありませんでした。
ところが、もう6月だというのにシーズン最後の、という感じで店頭にあったものを
マキさんが買ってくれました。
それを先端から適当にポキポキと折り、硬い根元は捨てて、
フリッタータ(オムレツ)にしてくれました。
トマトやチーズを入れたサラダ
ゆっくりたっぷり食べて、飲んで、おしゃべりして・・・
心地よい6月の夜が更けていったのでした。

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