ぐら姐のよくばりイタリア

イタリアにはまってかれこれ25年。イタリア人て面白い、から始まって、イタリアは美味しい、イタリアは美しい、イタリアの田舎が素敵、イタリア美術や建築も面白い…とずぶずぶ深みにはまっている私「ぐら姐」のイタリアなんでもありのブログです。

2022年11月

旅行3日目は、12月24日。
ゆっくりたっぷり朝食を摂ってから出かけ、
まち散歩をしつつ駅まで歩きました。

この日はモデナへ日帰り。
モデナにはかなり前の夏に泊まったことがあるのですが、
その時は、まだロマネスクの建築や彫刻に興味をもっていなかったし、
ドゥオーモのファサードが修復中だったし、
フェラーリの博物館までバスででかけてたし、
結局モデナをよくみていなかったのです。

それで今、ドゥオーモをゆっくりと見てみたいと思い、
Sさんにも付き合ってもらいました。
彼女は、まち歩きが好きみたいだから、ここも好きだろうと思ったし。

以前行ったときの駅の印象すら私には残っていない・・・
ドゥカーレ宮殿は、今は軍用になっているそうで、
時間を決めてガイデッド・ツアーがあるようですが、
この日にやっているかどうかも調べていないのでパス
目抜き通りのクリスマスイルミネーションが素敵!
イタリアの冬は、やっぱり毛皮ですね。(私は着たいと思わないけど)
この子は、自前の毛皮の上に毛糸のセーター
さて、もうすぐドゥオーモです。続きは、また次回。

旅行に出発する前に
「かわいいイタリア~イタリアの雑貨とおしゃれと散歩の話~」
と言う本に目を通していました。

ローマ、フィレンツェ、ミラノで見つけたかわいい雑貨や
そういうものが見つかる店などが出ています。
それを見ていたからでしょうか、
パルマ日帰りから戻って宿へと歩いているときに
普段ならただ通り過ぎる店が気にかかり、入ってみることにしました。
きれいな色のタッセルや美しい色の組み合わせのタッセルがたくさん!
こんなかわいいのもありました。
ピノッキオ好きの友人のお土産にすることに。
ついでに私の分も1つ。

あ、これも素敵、と手に取ったのはイタリアンカラーのタッセル。
色糸のまとめ方が素敵です。
店の老シニョーラが、これは去年の建国150年記念に作ったものなの、
残り3個しかないわ、というので同行のSさんが1個、私が2個購入。
1年前のものだからと、7€を6€におまけしてくれました。
(写真は、家に戻ってから撮ったものです。)

宿に戻って、前日買っておいたモッツァレッラとミニトマト、
経由地フランクフルトで買ってきたプレッツェル、
そしてパルマで買って帰ったオリーヴェ・アスコラーネで部屋ご飯。
スーパーで買った2.99€のランブルスコを飲みました。

ここまで観て結構満足してしまい、
Sさんも特に美術に興味があるわけではないので
国立美術館に行くのはやめにしました。

散歩しながら、もう帰りましょってことに。

で、前日買ったミニトマトがたくさん残っているし、
実はお宿の近くにMOZZAVERAという名前のモッツレッラ専門店があって
そこで前日に大きな1個を買ったのに、食べずに置いたので
今夜も部屋ご飯にしましょ、ということになり、
行きがけに見たオリーヴェ・アスコラーネを買って帰ることにしました。

試食して、冷めてもきっと美味しいに違いないと思っていたからです。
1パック購入し、
同じ店でVIN BRULE(グリューワイン)を1杯2€で売っていたので
1杯ずついただきました。こちらにはサンタさん出現
屋台の店を覘きながら、駅に向かい、
ボローニャに戻ると、もう真っ暗。
通りのイルミネーションを見ながら、お宿に帰ります。

さて、次は、洗礼堂に行きます。
洗礼堂は、美しい八角形の建物なのですが、
2、3度見ているためか、つい写真を撮り忘れました。
2009年末に立ち寄ったときのものを載せます。
この洗礼堂も、外側の彫刻が素敵なんです。
時間をかけてたっぷりと眺め、写真もいっぱい撮りました。
撮り過ぎて選べないので、適当に何枚か載せます。
中に入ります。
入り口でチケットを買ったときに、
窓口のおじちゃんが、ガイドブックを見るかい?
出るときに返してくれればいいよ、って貸してくれました。

中に入ると、だあれもいなくて、私たち二人占め。
うわぁ...
小さくもらした声が堂内にかすかに、でも長ーく響きます。
ピサの洗礼堂もそうですが、

どうしてこんなに音響が素晴らしいのでしょう。
椅子の脚に靴がちょっとぶつかってもコツンツンツンツン...と響きます。

天辺を16分割して、そのまま床まで続く大理石の柱のなんて美しいこと。
とても石とは思えない美しいカーブです。
そしてその間に絵や彫刻の数々。12ヶ月の労働。出る頃にフランス語を話すカップルと
英語を話す家族がやってきましたが、
ほぼ独占状態でゆっくりと眺めることができ、
以前友人達と訪れ、他の観光客が大勢いて混み合っている中でささっと見ただけの時とは
印象が全く違いました。

その後、その奥にあるサン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会へ。
ここのクーポラにコレッジョが描いた「キリストの昇天」を見ました。
(暗くて、よく見えなかったのが残念)

さて、目当てのドゥオーモへ。
Sさんに見せたかったのもあるけど、
私も、じっくりと以前とは違う目で見たかったのです。

鐘楼は修復中でした。
(2010年末に行ったときも修復中だったのですけど
いつまで続くのでしょうね)
パッと見にどうというファサードではないのですが、
細かく見ると、とても面白くて。
柱の上にいろんな顔がついています。
彫刻の1つ1つを見ると,こういうの大好きなので、ひとりでに顔がほころびてきます。
いろんな仕事をしている人たち
これは狩り
ライオン
その後ろの柱の根元
きりがないのでこの辺で止めておきますが、
双眼鏡も持っていっていたので、ゆっくり、じっくりと観ました。

一緒にいったSさんも双眼鏡を持ってきていたので、
2人並んであそこはああだとかこうだとかいいながら。

パルマには、9世紀に大聖堂が建てられたのですが、
まもなく崩壊してしまい、
10世紀に再建されましたがそれも火災で崩壊。

現在のものは、11世紀から12世紀にかけて建設されたものだそうで
フランスのブルゴーニュ地方のロマネスク様式にならった
三廊式のラテン十字形プランです。

12世紀後半に、ベネデット・アンテラーミという石工の親方が、
大聖堂や洗礼堂の建築や彫刻に活躍、貢献したのだそうです。

ドゥオーモの内部は、外の素敵さから見ると全然違うゴテゴテで、
惹かれるものはありません。
16世紀中ごろのものなのだそうです。なるほどね。

でも、持っていった美術書のコピーに
ベネデット・アンテラーミの大理石浮き彫り「十字架降下」があり、
その作品内に制作年と名前が記されていて、
このように堂々とそれが銘記されたのは、
イタリアでは初のことなのだとありました。
800年も昔は、皆無名の工人で
芸術家などと言う職種はない時代だったのだそうです。
これがその作品
プレゼーピ
ク―ポラにはコレッジョの壮大な「聖母被昇天」が描かれているのですが、
暗くて、ぶれぶれ写真になってしまったので、載せません。

洗礼堂については、また次回。

朝食をたっぷり食べて、
10時ごろ宿を出て、まち散歩をしながら駅まで歩き、
日帰りでパルマに行きました。

パルマで一番にしたことは、お昼ご飯を食べること。
だって、ドゥオーモも洗礼堂も、じっくり見たいので、
午前の部はまもなく終わるため、
15時過ぎからの午後の部のオープンに行きたいからです。

パルマでいつも食べている店はこの日は休みだったので
ガイドブックに出ている店に向かうことに。

国立美術館になっているピロッタ宮殿の前の芝生の近くに
屋台がちょこちょこと出ていました。
その1つの屋台に、旅先からアップしたオリーヴェ・アスコラーネがあったのです。
味見はしたものの、後でねって店を離れて、歩きます。

別に急いでいるわけでもないので、あっちでパチリ
こっちでパチリ

テアトロ・レージョ。
前は通ってもなかなかここでオペラを見るチャンスには恵まれません。
って、特別なオペラファンでもないし、
よい演目を調べて早々とチケットを取ってその日に行くわけでもないので
当たり前なのですけれど。

総督宮殿(Palazzo del Governatore)には時計塔がついています。
13世紀に創設されたそうで、
現在の時計の右下には午前と午後に分かれた日時計、
左下のものは太陽の位置で暦を計る、カレンダーの役割を担っているものだそうです。
通りがかりのウィンドウに、小さな子ども達の作品が。
子ども達のつくったものって、何ともいえない味わいがあっていいですね。
本当にこの時代しか描いたりつくったりできないものだと思います。

お昼を食べようと思った店に行ってみたら、店の名前が変わっていました。
朝食をたっぷりいただいてきたので、がっつり食べる気もあまりなく、
まあ、いいか、ということで中へ入りました。

前菜を1皿もらって2人でシェア。
生ハムに薄切りの洋梨とリコッタに胡桃、
パルミジャーノ・レッジャーノも添えられて、蜂蜜がかかっています。
洋梨と生ハムがとっても合う!
そしてリコッタと胡桃と蜂蜜も!
こんな適当に入った店でもこういうものが美味しくて、
だからイタリアは好き!!!

デッラ・カーサの2分の1リットルをもらったら、
線よりこんなに上まで入れてくれて。
こういうのも好き~。
Sさんは、南瓜のラビオリ
私は、プリモは無しにして、セコンド1皿。
鶏胸肉のカレー風味というのをオーダーしたら、ご飯が付いてきました。
お肉もたっぷり~。
イタリアで、カレー風味って初めて食べました。
カレーの香りはするけれど、たいした辛さではありません。
蜂蜜で甘さを出していて、不思議な感じがしましたが、
ご飯を食べるとちょうどいい感じ。

お腹も膨れて、そろそろ目当てのドゥオーモが開くころです。
つづく。

今回のボローニャ滞在では、3つのホテルを利用しました。

最初の4泊は、2人でのんびり観光だったので
駅から離れ、チェントロには歩いて15分ぐらいの、静かなエリアにある近代的なホテル。
ツイン1室1泊72€

次は、全行程でわずか4泊しかできない2人の友人も加わり、
1日はフィレンツェ日帰りし、最終日は駅から空港行きのバスに乗ることもあり、
駅から一番近いホテルを選びました。
ツイン1室1泊108€

最後は、私一人で3泊。
マッジョーレ広場まで歩いて3分ぐらいの、街歩きに便利で
宿のテラスからの眺めがよいというホテル。
シングル1室1泊64€

どのホテルも、そろぞれの目的に合っていてよい選択ができたと思いますが、
最初のホテルの居心地は抜群でした。
部屋もバスルームもゆったり広く、
バスタブ付きで(私はなくても構わない派なのですけど)
ちゃんとハンドシャワーだったし、お湯の出もよかったし、
洗面スペースも広くて、物を置いたり洗濯をするのに便利でした。
レセプションや朝食のときの給仕スタッフは皆フレンドリーなのがまたいい感じ。

今写真を見てみると、いつもは結構部屋写真を撮っているのに、
今回は最後のお宿ぐらいしか撮ってきていないことに気が付きました。
でも朝食のところだけ撮っていたので、今日はその写真を載せます。

ここが朝食サロン。
窓の外には庭の大きなプラタナスの木が見えます。
食べ物は、おしゃれにゆったりと並べられています。
上の写真の右端にあるのは、クレープです。
これにベーコンや卵を巻いたり、
生ハムやチーズを巻いたりして食べるのがとても美味しかったです。
この写真からは分からないと思いますが、丸ごとフルーツが盛られている向こうに、
フレッシュフルーツのマチェドニア(カットフルーツのミックス)があります。
とても美味しくて、毎朝これとヨーグルトいただいていました。
フルーツや野菜のジュースも4種。水みたいな薄いのは一つも無しです。

今回の旅行では、素敵な朝ご飯のお宿が、ここともう1つ。
以前に比べて、充実のラインナップのところが多くなりましたが、
それでもたいていはハム・サラミ類、食事パン、甘パン、焼き菓子、ヨーグルト、フルーツ、
フルーツジュースそしてカッフェその他の飲み物ぐらいです。
もう少しグレードが上がると、卵やベーコンも加わり、
フルーツ類が充実したり野菜が加わったりするぐらいでしょうか。
たまに、朝からスプマンテが置いてあることも。

この宿の個性としては、クレープが際立ちました。
そしてフレッシュフルーツのマチェドニアが毎日本当に美味しかったこと。
さらにミニトマトもたくさんあって、これも毎日食べていました。

3泊以上ゆったり滞在するなら、このホテルはまた利用したいと思います。
街まで歩いて行く通り沿いの店も面白い店がたくさんあって、
ここに泊まらなかったら、けっしてそれらの店で買い物をすることもなかったでしょう。
宿代と併せて考えると、かなーりお得感がありました。

朝食サロンのドアに付いていたクリスマス飾り。
シックでお洒落ですね。

出発前に、ボローニャ在住の友人から、こんなメッセージが届いていました。
「ボローニャにもクリスマス市があります。メインの場所は2箇所で、
piazza Maggioreを背にvia Indipendenzaを進み(駅方面ですね)、
100mくらいの所、右手に白いテントが出ています。
中は、お菓子やら、小物、手作り石鹸、アクセサリーなど。

もう一箇所は、Due Torriの下から始まるstrada Maggioreを
300m位進んだところの教会前に屋台が出ます。
ここはお菓子と、プレゼピオの材料が多数あります。」

というわけで、ホテルに戻るのに少しだけ遠回りして、
Strada Maggioreのクリスマス市を見ることにしました。
通り沿いに、ずらーっとテントが並んでいます。
ありました、ありました、夏の祭などでも見かけるカラフルなお菓子たち。
焼き菓子がずらりのお店
シチリアのお菓子の店も!
カンノーリもあります。
お馴染みのナッツ類やナッツ類の飴がらめやチョコがらめ
そしてプレゼーピのパーツの数々を売るお店がたくさん!
ここにはまた後で来るから、その時にじっくり選んで買おうと思ったら、
結局行く時間がなくなって、買わずに帰ってきてしまいました。残念・・・

でも、なぜかこちらは、このときに買ってしまっていたのです。
石鹸です。
ナチュラルな材料で作ってあり、合成の香料を使ったような強い香りではなく、
ほのかに香り、自然な泡立ちで、こういう石鹸が結構好きなのです。
3個で5€なら安い!と思ったけど、
念のため店のおかあさんに、6個買ったらいくらになるの?って訊いたら、
にやりと笑って、そりゃ10€に決まっているわよって言われちゃった。へへへ。

でも6個買いました。
こういうのが好きな友人がいるので、お土産にもぴったりなのです。
こんなのも売っていました!
ピッツァ・フリッタです。
揚げたて熱々をパリパリッと食べたらおいしいでしょうね~。

そう思いつつ、遅いお昼にしっかり食べたし、
考えてみれば夜行の便で飛んできたばかりの日なので体も疲れているはずなので、
帰り道にあったアリメンターリ(食品店)で、水とミニトマトと果物とヴィーノを買って宿に戻り、
ちょこっと部屋ご飯にして、この日は休んだのでした。

バンキ宮殿の前にTrenitaliaのFR(Frecciarossa=赤い矢)の車両が展示してありました。
Italoに負けないようにって頑張っているのでしょうか。
IL PIU` BEL TRENO AL MONDO (世界で一番美しい車両)と書いてありますが、
イタリア人は、この世界で一番とか、世界のどこにもとか、
とにかく・・・MONDOという表現が好きみたいで、ちょっとしたことにもよく使います。
(後で近付いてみたら、車両は本物ではなく実物大の模型でした)
広場の一角でバンドの演奏パフォーマンスが始まりました。
こちらではまた別のパフォーマンス
4時半を回ると、薄暗くなってきてクリスマスのイルミネーションが目立ち始めます。
通りによって、いろいろなイルミネーションがあり、ただ歩くだけでも楽しめました。

お昼を食べ終えて、4時半頃だったでしょうか。
日も傾き始めた街を散歩しました。
店は、駅とマッジョーレ広場の中間あたりの横道に入ったところだったので、
まずは、ボローニャのチェントロ中のチェントロ、マッジョーレ広場に向かいます。
この日は、土曜日だったので、チェントロ界隈が歩行者天国になっていました。
広い、まっすぐな道を車を気にせず歩けるっていい気分です!

ネットゥーノ(ネプチューン)広場のクリスマスツリーが見えてきました。
手前には、バルーンを売る人たち、
クリスマスムードで浮かれている雰囲気です。

怪しげなキティの顔
アシネッリの塔も遠くに見えています。
ネットゥーノの噴水です。
マッジョーレ広場に着きました。四方を歴史的建造物に囲まれています。

南は広場の床と同色の聖ペトロニオ大聖堂。(ファサードは修復中でした)
西の市庁舎は既に完成していたアックルージオの塔を包み込む様に
1287年から建築が始まり、北に向けて15世紀半ばまで増築されたそうです。
そのため正面の装飾は各時代を象徴するように三つに分けられています。
例えば正面最上部の装飾は、二つの違う形があり、
一つは教皇派の時代のもの、もう一つは皇帝派の時代のものだそうです。
大聖堂の向かいはポデスタ宮殿。
1200年に建てられましたが、
15世紀にボローニャの有力な一族ベンティヴォリオ家の意向で
そのほとんどが改築されたそうです。
後ろには13世紀半ばにエンツォ王宮殿が建てられています。
13世紀半ばに、司法庁を置くために建造されましたが、
ボローニャは、フォッサルタの戦いで神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世に勝利し、
その息子エンツォを捕虜として、死ぬまでの23年間この建物に幽閉したのだそうです。

市庁舎の向かいはバンキ宮殿。
広場の他の建物に比べると比較的新しいものです。
実は、この裏に市場があって広場の美的景観とアンバランスなので
庶民的な市場を隠す目的で建てられたのだとか。
(実は、この裏通りの市場が結構面白くて、何度も見に行きました。
その写真はまた後日。)

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