これも、日本ではまずありえないことです。
’08年夏、オローパへ行くための乗換のビエッラでの駅でのことです。
駅に着いたのが、15:30。
昼はアレッサンドリアの駅バールでパニーノを1個食べていたのですが、
小腹が空いてバールへ行くと、あまり食べたいものがない。
それで、駅でよくみかけるようになったセルフサービス・バール(自販機)でサンドイッチを買うことにしたのです。

お金を入れ、好きな商品の番号を押せば、その商品は下に落ちて取り出し口から手元へ。
のはずなのに、私のサンドイッチは下には落ちたものの、取り出し口のところまで出てこない...

取り出し口のところが2段構えになっていて、その最初のところが開かず、下まで落ちない...ようなのです。
手をこじ入れて、そこをなんとかいじって...と思っても全然動かず。
写真の下の方の白い物体が私のサンドイッチです。
まずは、バールに行って話すと、それはうちとは関係ない...
新聞雑誌などの売店に行って聞いても、うちとは無関係...
駅員に聞いても、知らぬ存ぜぬ...
自販機に貼ってあるシールの連絡先は、トリノ…

もう一度、手を入れてチャレンジ。
通りがかりの人に、取り出せないんだけど...と協力を求めてみると
数回試み、他の人をも巻き込んで試してくれたものの、取り出せず。

ある人が、こういいました。
「もう1回お金を入れて、もう1つ買ってみれば?2つ手に入るよ。」
私「2つ分の損はしたくないわ。」
その方「じゃあ、一番安いものを買えばいいじゃない。」
・・・・・・・

もちろん何も買いませんでした。
みすみすお金を捨てることになるような気がしたからです。
そして、バスの発車時間ぎりぎりまで、誰か買う人がいないかずっと見ていました。
一緒に取り出せるかもしれないと。


結局自販機を利用する人はゼロ・・・ 諦めました。
ま、こんなものでしょう。イタリアだもの。

これには後日談があります。
オローパに2泊し、またビエッラを通った時に見ていたら、
まだ私のあのサンドイッチがひっかかったまま!!!
どのぐらいの頻度で商品の追加や入れ替えをするのでしょう!?

そして見ていたら、若い女性がお菓子を買おうとお金を入れ、ボタンを押しました。
・・・・・・ 彼女も、やはり取り出せなかったのでありました。

こんな機械を作る意味があるのだろうか…と思えるイタリア。
こんな機械にお金をかけて設置しても、
これじゃあ信用する人がいなくて絶対に商売にならないですよね...


外国人が日本に来ると自販機の多さに驚くと言いますが、
それだけあっても、自販機の不具合って聞いたことがありません。

イタリアにいると、人間しか信じられない気がしてくる...

オローパをご存じない方のために書くと、
オローパは、「ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ」というくくりで
世界遺産に登録されているうちの1つのサクロ・モンテ(聖山)があるところです。


山の中に複数の建物を作り、聖書の物語を絵や彫刻で順に再現し、
これを巡って行くことにより信心を深めるという目的があるのだそうです。
ここのサクロ・モンテには、12の礼拝堂があり、マリアの生涯が描かれています。

小ぶりのラ・キエーザ・ヴェッキア(古い教会)と
大きなラ・キエーザ・ヌオーヴァ(新しい教会)があり、

それらを含めてサントゥアリオ・ディ・オローパ(聖地・オローパ)と言うのだそう。

山の中にあるので、夏は涼しくていいかも、ということと
お天気がよければ、山の景色も美しいかも、という2つの理由で出かけることに決めたのでした。
写真には撮れませんでしたが、星空がそれはそれはきれいでした。
撮れるのはせいぜいこのぐらいまで。