さてさて、コンサートです。
小ぢんまりした会場でした。
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コンサート中のおしゃべりの中で、
この会場の座席数は990ぐらいと言っていました。
その小さな会場で、11月1日から2月27日まで、
とびとびで25回のコンサートを行うのです。

Nさんと、「自分の現在の立ち位置をちゃんと理解し、
小さなキャパでも会場をいっぱいにして25回公演するという考えが素晴らしいね、
かつての人気をいまだに引きずり、武道館に空席が多いからと
コンサートを当日中止にしちゃう人とは大違いだね」と話しました。


このコンサートのタイトルは、Stasera gioco in casa
直訳すれば「今夜は家で遊ぶ」ですが、
このCasaにはホーム=本拠地の意味もあるのでしょう。
ボローニャ出身ですからね。

緞帳にはポスターと同じ写真が映し出され。
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幕が開くと、ステージには簡素な、普通の家のリビングのようにソファーがあり、
冷蔵庫やテーブルが置かれ、その横にギターが立てかけてあって
あとはピアノが1台。
ジャンニが登場し、ギターを手に取って歌い始めました。

歌って、おしゃべりして、また歌っておしゃべりをして…
途中で休憩がすこしありましたが、それ以外はずっとその繰り返し。
これは休憩中の写真です。
車椅子用の席も設けられていました。
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最前列は、ご家族でいらしているようでした。
お知り合いと会って挨拶を交わし。
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全部で何曲歌ったのでしょうでしょう。
おそらく20曲以上だったと思います。

私が知っている時代の歌も3曲ほど。
私も一緒にかすかな声で口ずさんでしまいました。
でも、「かつて人気があった懐メロ歌手」が歌っている雰囲気ではなく、
今でも現役の歌手がちゃんと歌っているのです。
声もよく出ているし、最後まで全部しっかりと歌いきっていましたし。

何よりも観客とのやり取りがいい感じで。
客席には、もちろん彼と同世代の人(やはり女性率は高いですが、男性もいます)
もう少し若い人、その子どもや孫にあたる世代の人と
けっこういろんな年代の人がいました。
リズムの良い曲だと若い人たちも結構ノリノリで、体を動かしています。

途中で地元の14歳の清楚な少女が会場から呼ばれ、
1曲だけ歌っていました。
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もうこのころからかなりくだけた雰囲気になり、
本当にホームにいる感じです。
ちょっと写真を撮らせていただいちゃいました。
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後半でリクエストコーナーがあって、
客席から歌のタイトルを大きな声で言うと、
それに応えてギター1本で歌うのでした。
何曲も何曲もリクエストに応えて歌い、
客席のあちこちから声が上がり、立ち上がって声をかけたり手を振ったり。
ふるさとでのコンサートに、彼を大好きで誇りにも思っている地元の人たちが
ジャンニお帰り~~~という感じ。

和気あいあい、ほのぼのした雰囲気でコンサートが終わり
アンコールも歌い、でもその後奥に下がる前にお花やプレゼントを渡す人、
握手をしたい人たちがステージ近くに行き、結構長いことそれに応えていました。
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私もNさんも、心があったかくなって、満足して外に出ました。
入り口付近では、ポスターと写真を撮っている人も。
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ローマのオペラ座もでしたが、ここでもタクシーを呼んでくれるデスクがありました。
タクシーをお願いし、私たちのために来てくれるタクシーの名前(番号とか名前が車体に書いてあるのです)を聞いて外へ。
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じきにタクシーがやってきて、ホテルへと戻って就寝しました。
これだけのためのボローニャ1泊でしたが、来てよかった!と思えました。