ぐら姐のよくばりイタリア

イタリアにはまってかれこれ25年。イタリア人て面白い、から始まって、イタリアは美味しい、イタリアは美しい、イタリアの田舎が素敵、イタリア美術や建築も面白い…とずぶずぶ深みにはまっている私「ぐら姐」のイタリアなんでもありのブログです。

カテゴリ:州別 > フリウリ - ヴェネツィア・ジュ-リア州

ドゥオーモ博物館に入館しました。
モモ先生が、「イタリア古寺巡礼」で、ここにあるラチスの祭壇を
サンタ・マリア・デッレ・ヴァッレの小祈祷堂の彫刻と比較して
「ほぼ同時代なのになんという違い」「洗練なんて眼中にない人物造形は爽快」
と書いていて、その写真を見て以来是非とも見たいと思っていました。

こちらの方が、ロンゴバルド本来のスタイルで、
古代美術とは異なる、このおおらかな造形感覚こそ「蛮族」が北方から持ち込み
のちにロマネスク美術の素になったものだとのこと。

それは、入るとすぐのところに
置かれていました。
4面に彫刻が施されているのですが、正面は「栄光のキリスト」
かつては彩色されていたのだとか。
面をすべて埋め尽くすように、天使や花や星で埋め尽くされ、
体のバランスを無視して変形させているのがとても面白いです。
側面の「マギの礼拝」
この天使のへの字の口!洋服や羽の模様の可愛らしいこと!
当方三博士も、聖母子も面白い。
裏側
もう一つの側面、これは「ご訪問」?
鳥のような足も可愛らしい。
ここも他に入館者はいなかったので独り占めで堪能できました。
他の展示品も素敵です。
カリストの洗礼堂
体を水に浸す浸礼用のもので、
アクイレイアのカリスト司教がチヴィダーレに就任した記念に760年代に造られた物だそうです。
これも彫刻が素晴らしくて。
これがライオン!ワハハと思わず声を出しそうになりました。
上の方は下とはちょっと違った雰囲気。
たくさん写真を撮ったので、旅報告が全部終わったら、
またぼちぼちとアップしますね。

切り取ってきたフレスコ画の展示もありました。
天井も素敵でした。
法衣や聖具にはあまり興味がないので、そちらはざっと見ておしまい。
一つだけ気になったのがこれ。
彫刻ではなく、布(レース?刺繍?)です。
なんと繊細で丁寧な仕事でしょう。
出るときにお手洗いに行きたくなり、受付のシニョーラにどこにあるか訊いたら、
ここにはないのよ、ごめんなさいと言われ、すぐ近くで昼食を摂ることに。

サンタ・マリア・イン・ヴァッレ修道院を出た近くに、
こんなかわいらしい教会がありました。
残念ながら閉まっていました。
付近の建物。
ここからも、美しい川の景色が眺められます。
さっきの赤い建物の奥に塀で囲まれた公園があり、遠くにアルプスの山々が見えました。
ドゥオーモの方へと戻ります。
左に見えている赤い看板は、マリオネットのムゼオでした。
入り口はこちらでした。
青い空に紅葉した葉が映えます。
さっきこのパネルを取り付けていた男性は、仕事を終えていなくなっていました。
どれどれ、何のパネルなのかしら。
このまちの昔の写真にテーマごとの説明が加えられているようです。
お昼をどこで食べようかな、と途中でこんなのもゆっくり見たりして。
まだお昼になっていないので、字面でしか見られませんけどね。
さて、ドゥオーモ博物館に入ります。(つづく)

ロンゴバルドについて少し。
ロンゴバルド王国は、568年ゲルマン系ロンゴバルド族により建国され
6〜8世紀にイタリア半島を広く統治して独特の文化を発展させましたが、
774年にカール大帝により滅ぼされました。
かつての権勢の足跡を示す7地域の要塞、教会、修道院などの建物が2011年に世界遺産として登録され、
チヴィダーレもここと考古学博物館とが入っています。

テンピエットと呼ばれる小祈祷堂に入ります。
ロープが張ってあって、中には入れないようになっていました。
こういう小さいところの特別な空間感って、とても神聖で敬虔な気持ちになります。
ロンゴバルドらしい繊細な彫刻が見事です。
キリストと二人の大天使だそう。
かなり剥落しています。
葡萄の葉と房の装飾が美しく、その外側と内側の下のライン上にはガラス玉のようなものが埋め込まれています。
一部を複製してあり、これは間近で見られます。
ガラス玉は埋め込まれていませんが、穴は開いていますね。
アーチの上の部分には左右に3人ずつの聖女像。
柔らかい微笑を浮かべ、手に十字架や王冠とみられるものを持っている人も。
衣服の襞の流れもとても美しく、見事です。
横の壁のフレスコ画。
天井のフレスコ画
この空間に独り身を置いてじっくりと見られた素晴らしい時間でした。
外に出るのも川沿いの外廊下で、
それがまた素晴らしい眺め。
満足して外に出ました。

サンタ・マリア・イン・ヴァッレ修道院(Chiesa di Santa Maria in Valle)は
今は博物館になっています。
チケットを買って入場。
目当ての小祈祷堂の手前の展示を先に観ます。
建物やインテリアもいい感じ。
14世紀の木製聖母子像
この辺りは展示に向けて準備中という感じです。
この辺から断片の展示がありました。
目当ての小祈祷堂に行くには、一旦川沿いの外廊下に出るのでした。
水量たっぷりの急流は、ナティゾーネ川。
つづきはまた次回。

icon

悪魔の橋に着きました。
橋からの眺め。
どこに行けば橋をきれいに撮ることができるのかしら、
と橋の上で探しました。
この建物の
この窓からなら、どうかしら。でも一般人が入れるわけはないし。
1つ下流の橋からなら大丈夫かしら。
後で行ってみることにして橋を後にします。

サンタ・マリア・イン・ヴァッレ修道院(Chiesa di Santa Maria in Valle)に向かいます。
まち角風景。
壁と鎧戸の色のなんと美しいこと。
サンタ・マリア・イン・ヴァッレ修道院(Chiesa di Santa Maria in Valle)の目当ては祈祷堂。通称テンピエットと言われます。
テンピエットはあちらですの表示。(飲食店の表示の方が大きい...)
この猫が描かれている店は、猫グッズを売っている店?
川の方へ下りていく道があったので、ちょっと寄り道。
下って行っても橋を眺められるところはないようだったので、引き返しました。
この人は、何やらこの町の古い写真を飾り付けているようです。
到着。
門の横のこれ、紋章なのでしょうけれど、なんだか「進入禁止」のマークのよう。
中に入ります。
(つづく)

翌日は、念願だったチヴィダーレ・デル・フリウリに日帰りで出かけました。
一度'07年に訪れたのですが、
その時は、須賀敦子さんが結婚祝いのパーティーを行ったという宿に泊まるのが目的で
チヴィダーレにすごい見どころがあるとは全く知らず。
その後、シニョレッリさんやcokemomoさんを通じてチヴィダーレに見所があることを知り、是非とも訪れたいと思ったのです。

6時に起きてシャワーを浴び、朝食を作って食べました。
9:27の電車に乗るため駅へ。
チヴィダーレに行く電車はTrenitaliaの駅から出発しますが、
運行しているのはTrenitaliaではなくFerrovie Udine Cividaleと言う会社で、
切符はTrenitaliaでは買えません。
どこで買えるか訊いたら、このタバッキで買えるとのこと。
往復の切符を買いました。
ちょっとクラシックな感じの電車に乗って出発。
昨日の雨が嘘のようにいい天気です。
車窓からは、トリノから見えたのとは違うアルプスの東側の山々が遠くに見えました。
駅名の表示は、イタリア語とフリウリ語の2つの言語で書かれています。
30分ほどでチヴィダーレに到着。
13年前とは駅舎が全く違っていて、駅も周りの建物も
すっかり新しくなっていました。
駅の周りに古そうなものが全く見えず、
チェントロまではバス?とちょっと不安になって売店のおばちゃんに訊くと
歩いてすぐよ、と教えてくれました。
トイレを使用して(無料!)、チェントロに向かいます。

土曜にカラオケ!けっこう集まるのでしょうか。
こういう表示も2つの言語で。
奥にドゥオーモが見えてきました。
古いまちには、たいていある趣のあるファルマチア
パラッツォ・コムナーレ(市庁舎)
カエサルの像がありました。
チヴィダーレは、旧石器時代及び新石器時代の遺跡が周辺から発掘されるほど、起源の古い町だそうで、
都市としての形成は古代ローマ、紀元前2世紀の中盤に軍事防衛拠点として築かれ、
これをその後カエサルが総督として受け継ぎ、古代都市として繁栄したのです。
道を隔てた左側がドゥオーモ

さっき駅でトイレに寄ったのに、朝食で水分を摂り過ぎたのか、
また行きたくなってしまって、バールへ。
せっかくなのでカッフェではなくカップッチョをオーダー。

写真を撮るのに、午前がいいのか午後がいいのか分からないので、
入場観光するところより先に悪魔の橋へと向かいます。
(つづく)

トリノ・ポルタ・ヌオーヴァ駅からフレッチャロッサでヴェネツィア・メストレまで。
トリノを過ぎてしばらくして、車窓からアルプスの山々が見えました。
乗ること3時間弱、車内で持参のパニーニ弁当を食べました。
10分ほど遅れたものの、順調にメストレに着くと、
ウーディネまでの列車は同じホームからだったので楽チンでした。
一応エレベーターがあることは確認しました。

ウーディネに着いたのが、15:40頃。
雨が降っていました。
傘を差して、落ち葉でぐちゃぐちゃの道をスーツケースを転がして宿へ。
駅からとても近いところを選んだのですぐに着きました。
共同キッチン付きのB&Bです。

ああ、ここでもまたやってしまいました。
なんとお宿は日本式で言う5階!
スーツケースを持って上るのは辛過ぎ…
私がふうふう言っている声が聞こえたのか、
宿のお姉さんが下りてきて3階あたりから手伝ってくれました。
なかなかパワフルなお姉さんでした。

チェックインの手続きをし、お部屋を案内してもらい、いろいろと説明を聞きました。
とても感じのいいお姉さんだったのに、その後一度も会えなかったのは残念。
別な女性は他の客を迎えるのに時々来ていたのですけれど。

恒例のお部屋写真を。
簡素で清潔なお部屋です。
え?テレビがない!
イタリアテレビ大好きなので、それはとても残念でした。

共同キッチン
朝食は、壁際に置いてあるものや冷蔵庫のものを適当に食べます。
卵もありました。
トイレ・シャワーも共同です。
私の部屋と隣の部屋(滞在中この部屋は空いていました)の2室で使用するようになっていました。
奥にあと2~3室あるようで、その部屋の人が使うトイレ・シャワールームは別。
バスルームも部屋と同じようなインテリアでした。
部屋の外のシャワールームに行くためのかごにタオルが入っていました。
外は冷たい雨が降っているので部屋で落ち着いてのんびり休んでいたら、
もう夕方になってしまい、宿の人に教えてもらった店のうちの一番近いところへ。
(と言っても歩いて7,8分かかります。)
開店直後で私が2番目の客でした。
ピッツェリア&リストランテなのだけど、ピッツァを出す雰囲気ではないような。
でも、まちの人がテイクアウトで買いに来たり、
後から入ってきたお客が食べたりしていました。
ヴィーノはデッラ・カーザの白。
アンティパストにインペパータ・ディ・コッツェ
プリモにフルッティ・ディ・マーレのリングイーネ
美味しくいただいて部屋に帰りました。

↑このページのトップヘ